運動用にOリングを使用する場合のツブシシロは、密封効果、しゅう動抵抗、圧縮永久歪などに大きく影響しますので、必要最小限におさえなければなりません。
運動用でとくにスピードの速い場合、潤滑条件が悪い場合などには、ツブシシロを一般の運動用Oリングよりさらに小さ目にしてください。
固定用の使用方法には第3図のような径方向に圧縮する円筒面固定用と、第4図のような径方向と直角方向に圧縮する平面(フランジ)固定用とに分けられます。円筒面固定用に使用する場合、一般に運動用Oリングと同様なツブシシロをとります。平面固定用の場合はボルトの伸び、フランジ面の歪によるツブシシロの現象を考慮して運動用、円筒面固定用よりツブシシロを大きくする必要があります。第5図に用途別のOリングのツブシシロを示します。
Oリングは、低圧の状態ではツブシシロにより密封し、圧力が高くなるにつれて変形し、その緊迫力を増して密封します。高圧になると第6図-3の様にOリングは、ピストンとシリンダおよびロッドとスリーブとのスキマにハミ出しを生じ、損傷の原因となります。従いましてこのスキマは、できるだけ小さくなるよう設計してください。
このハミ出しを防止するためにはバックアップリングの併用が有効です。
Oリングに高圧がかかると、スキマからハミ出しを生じます。このハミ出しを防止するためにバックアップリングを使用します。
バックアップリングは両方から圧力のかかる場合、Oリングの両側に装着し、一方向から圧力のかかる場合、第7図-1の様に圧力と反対側に1個装着します。スペースに余裕があるときには、第7図-2の様に一方向の圧力でも2個使用することをおすすめします。
材料は、種々の合成樹脂が用いられますが、一般にはテフロン(四フッ化エチレン樹脂)が使用されています。
バックアップリングの形状にはエンドレス、バイアスカット、スパイラルの3種類があり、使用上の効果は、エンドレスが最も優れ、装着の点ではバイアスカット、スパイラルが便利です。